
●MIDIチューブラーベル
某国営放送の某長寿番組で、披露された歌を評価するのに使用されるチャイム、正式名称はチューブラーベル。
「キンコンカンコンキンコンカンコンキーンコーンカーン!」
と盛大に鳴らされた時は「キミ歌うまうぃ~ね!」で、
「キーン、コーン…」と寂しく2発鳴った時は
「う~ん…」 といったところでしょうか。
ところでこのチャイム、金属パイプがたくさん並んでいるので
とにかく重いから持ち運びが大変なのです。
そして価格ですが百万円近くします。
金属の塊なので、材料費だけでもウン十万はするとみてます。
手に入らない楽器の音を何かで代用する場合、
一般的なのはサンプラーで鳴らす方法ですが、見た目が地味なのが気になるところです。
そこで! 持ち運びができて見た目もチャイムっぽくてパイプを叩くとちゃんとチャイムの電子音が鳴る装置を作ってしまおう!
という思い付きから製作が始まりました。
写真は構成する部品の一部です。

GM音源の音声出力ができる
汎用ICモジュール
(\4,000-)

32bit 実験用マイコン
(互換機ですが実質Arduinoです)
(\400-)
★分かりやすいカイセツ
まず、実物のチャイムの仕組みを考えると、
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ハンマーでパイプを叩く
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叩いた衝撃でパイプが鳴る
音の高さはパイプの長さや太さ、音の強さは叩いた時の衝撃の強さです。
これをデジタルに置き換えると、、、
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何らかの方法でスイッチをオンにする
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スイッチオンを感知したコンピュータが「ドの音を鳴らせ!」と指令する
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「ドの音を鳴らせ!」の指令を受け取った別のコンピュータが
自分の持っている音データの中からドの音のデータを持ってきてスピーカーに送る
になります。
これを実現させるのに必要なものは、
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衝撃を感知するスイッチ
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スイッチの信号を受け取って処理するコンピュータ(通称マイコン)
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マイコンからの情報を元に音を鳴らすコンピュータ(通称音源モジュール)
そして、「音を鳴らせ!」の指令の正体が”MIDI”になります。
ここでひとつ、
「コンピュータ1個にすればわざわざ指令を送ったりしなくてもいいじゃん」
と疑問に思った方もいると思いますが、
スイッチの情報を処理する機能
MIDI信号をもとに音を鳴らす機能
これらの機能をまとめたコンピュータはニッチすぎて売れないのです。
スイッチの情報を処理したらLEDのピカピカに変換したい人もいれば、
スイッチじゃなくて温度変化をMIDI信号にして音を鳴らしたい人もいるかもしれません。
そういった幅広いニーズに対して使えるものならば、買う人がいるので売れますよね。
なので、機能ごとに特化した部品同士で約束事に従ってやり取りし、機能を実現させるわけです。
分かりやすく例えると、
レゴブロックの色や大きさの違いがコンピュータの違いで、
うまくはまるようにできてる円筒状の突起や底部の凹みなどがMIDIといえるでしょう。
完成品にご期待ください!